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時価総額<現金?グリー(3632)は究極のネットネット株か、それとも罠か【3分解説】

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時価総額<現金?グリー(3632)は究極のネットネット株か、それとも罠か【3分解説】

こんにちは、okuriru.com開発者の「中の人」です。福岡で子育てしながら個人開発と株式投資に励む、ごく普通のエンジニアです。

今日は、懐かしい名前が出てきました。「グリー(3632)」です。ガラケー時代、「釣り★スタ」や「探検ドリランド」で一世を風靡したあの会社。最近はあまり名前を聞かないな、と思っていたのですが、財務データを分析していて驚愕の事実を見つけてしまいました。

時価総額よりも、持っている現金の方が多い

いわゆる「ネットネット株」の状態です。通常、企業価値がマイナス評価されるというのは、明日倒産するとか、とんでもない訴訟を抱えているとか、よほどの事情がある場合です。しかしグリーは無借金に近い超優良財務。

これは市場のミスプライスなのか、それとも「この会社には未来がない」という市場の残酷な判決なのか。エンジニア兼投資家の視点で、数字とロジックからその正体を暴いていきます。

1. 成長性と収益性:ゲーム事業の「崖」

まずは直近の業績を見てみましょう。正直、目を覆いたくなるような数字が並んでいます。

指標2022202320242025
売上高(億円)749754613571
純利益(億円)101934612
売上高純利益率13.5%12.3%7.6%2.1%

売上高はピークから大きく減少し、純利益に至っては 12億円 まで落ち込んでいます。利益率はわずか 2.1%。かつての高収益体質の面影はありません。

原因は明白で、祖業である「ゲーム事業」の苦戦です。「アナザーエデン」や「ヘブンバーンズレッド」といったヒット作はあるものの、リリースから時間が経過し、収益力が落ちています。ソシャゲビジネスは常に新作を当て続けなければならない「焼畑農業」的な側面がありますが、グリーはそのサイクルに乗れていないのが現状です。

特に怖いのが、営業キャッシュフローの激減です。2022年には132億円あった営業CFが、直近ではわずか 6.7億円。本業で現金を稼ぐ力が急速に弱まっています。

唯一の希望:メタバース事業「REALITY」

そんな中、唯一の希望の光と言えるのがメタバース事業です。スマホ向けメタバースアプリ「REALITY」が好調で、売上高は83億円(前年比+14%)、営業利益も6.6億円としっかり黒字化しています。グローバル展開も進んでおり、ここが育てば「ゲーム一本足打法」からの脱却が見えてきます。投資家としては、この事業の成長率が生命線と言えるでしょう。

2. バリュエーション:異常な割安放置

次に、投資家として最も注目すべきバリュエーションを見ていきます。ここが今回のハイライトです。

指標2022202320242025
オーナー利益(億円)93924815
オーナー利益価値(億円)1,8601,840960300

※オーナー利益価値は、期待利回り5%で算出しています。

オーナー利益(企業が自由に使える現金)も激減しています。現在の利益水準(15億円)が続くと仮定すると、事業価値は300億円程度しかありません。しかし、現在の時価総額は約660億円。これだけ見ると「割高」に見えるかもしれません。

ですが、次のデータを見てください。

鉄壁の財務要塞「ネットキャッシュ」

指標2022202320242025
ネットキャッシュ(億円)890785871851
正味流動資産比率1.131.051.251.29

※正味流動資産比率 = ネットキャッシュ ÷ 時価総額

なんと、ネットキャッシュが約850億円 もあります。時価総額(660億円)をはるかに上回る現金を保有しているのです。これの意味するところは、「この会社を660億円で買収すれば、即座に850億円の現金が手に入り、事業もタダでついてくる」という、錬金術のような状態です。

事業価値(EV)= 時価総額 - ネットキャッシュ単純計算で マイナス190億円。市場は「グリーの事業には価値がないどころか、将来的に190億円の現金をドブに捨てるだろう」と評価しているわけです。

いくら何でも、これは評価されすぎではないでしょうか?

3. 結論:逆張りの好機か、それとも…

私の結論は、「ダウンサイドリスクが限定的な、面白い逆張り銘柄」です。

確かにゲーム事業は厳しい。しかし、腐っても黒字企業であり、メタバースという次の種も育っています。なにより、この圧倒的なキャッシュリッチ状態が最悪の事態(倒産など)を防いでくれます。

  1. メタバースの成長
  2. アクティビストによる株主還元要求(自社株買いなど)
  3. MBO(非公開化)

これらのカタリストが発動すれば、株価是正(見直し買い)が起こる可能性は高いでしょう。エンジニアとしては、開発力が枯渇していないか(従業員数が減っているのは気になりますが)を注視しつつ、投資家としては「現金製造機」としての価値を信じて、ポートフォリオの片隅に入れておくのも悪くない選択肢だと感じます。

もちろん、投資は自己責任で。この「歪んだ評価」がいつ解消されるかは、神のみぞ知る、ですからね。


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